介護職の夜勤

心と体のこと

介護の夜勤って、実際どうきついの? 特養で夜勤をやってきた私の本音

「夜勤がきつい」——介護の仕事でよく聞く言葉だし、実際その通りだと思います。ただ、ひとことで「きつい」と言っても、何がきついかは人によってけっこう違うんですよね。眠気なのか、体力なのか、生活リズムなのか、それとも別の何かなのか。ここがはっきりすると、対処の仕方も見えてきます。

なので今回は、私が特養で経験した夜勤の話を、正直に書いてみます。1晩の流れ、一番きつかったこと、ヤバかった夜、そして夜勤明けの体のこと。夜勤で消耗している人の、何かの参考になればと思います。

夜勤の1晩は、ざっくりこんな流れ

私がいた特養の夜勤は、16時半頃に出勤して翌朝10時半までの、2人体制でした。細かい業務の流れは別の記事(1日の流れ)で詳しく書いたので、ここではざっくりだけ。

夕方に出勤して連絡ノートを確認、夜勤の準備。夕食の介助、口腔ケア、トイレ誘導、就寝の介助。夜のうちにオムツ交換と体位交換を何度か。合間に記録の入力や委員会の仕事。深夜に交代で休憩をとって、明け方からまた朝に向けての介助が始まって、早番に引き継いで終了。

ざっくりでもこれだけあります。日勤とはまったく別の時間の流れ方をする、というのは伝わるかなと。ここからが本題です。

一番きついのは、意外と「眠気」じゃなかった

夜勤と聞くと、まず「眠くならないの?」って思いますよね。でも私の場合、正直そこはあまり問題じゃなかったんです。理由は単純で、やることが多すぎて眠気が飛ぶから(笑)。ナースコールが鳴る、センサーマットが反応して居室を見に行く、体位交換の時間になる……とやっていると、眠気を感じている暇がない。夜勤明けはもちろんヘトヘトですけど、勤務中に眠くて仕方ないという感覚は、意外と少なかったです。

じゃあ何が一番きついのか。私の場合は、こういう時でした。

看取りの利用者さんがいる夜。 これは精神的にこたえます。こまめに様子を見に行くんですが、知らないうちに呼吸が止まっていることもある。緊張感が一晩中続きます。

合わない職員と組む夜。 夜勤は基本2人。この相方と合うかどうかで、疲労が本当に変わります。合う人となら大変な夜でもなんだかんだ楽しかったりするのに、合わない人だと同じ仕事量でも疲れが倍増する。これは経験した人ならわかってもらえると思います。

オムツ交換が立て続けに大変な夜。 便失禁が続くと、対応に追われます。こういう地味に消耗する場面も、じわじわきます。

そして——一番こたえたのは、事故が起きた夜でした。

ヤバかった夜の話

正直に言うと、本当にヤバかった夜のことは、あまり記憶に残っていないんです。いろんなことが一度に重なった夜ほど、後から思い出そうとしても断片的にしか浮かんでこない。頭が飛んでしまうんでしょうね。

その中でも覚えているのが、明け方の転倒事故です。

自分で歩くことができる利用者さんでした。明け方、大きな物音がして駆けつけたら、頭から出血していて。とにかくまず布で圧迫して止血した——そこははっきり覚えています。ただ、その後どういう順番で対応したのか、細かいところは記憶が曖昧です。幸い意識はあって、でも痛がっていて、あの時は本当にどうしようと思いました。

事故が起きると、事故報告書を書いて、ご家族に連絡して、状況を説明して……とやることは一気に増えます。でも、正直そこは二の次でした。一番こたえたのは、利用者さんに怪我をさせてしまったという事実そのものです。

夜勤は、私の勤めていたところではだいたい20人ほどの利用者さんを2人で見ます。どれだけ気を配っても、目の届かない瞬間はどうしても出てくる。体制として限界があるのは頭ではわかっているんです。それでも、怪我をさせてしまったという事実は、理屈じゃなく重かった。夜勤のきつさって、こういう「責任の重さ」の部分が大きいのかもしれません。

夜勤明けの体は、ちょっと変な感じになる

夜勤が明けると、私の場合は「夜勤ハイ」みたいな状態になります。ナチュラルハイというか、気分がやたら高揚している。眠いは眠いんですけど、テンションで飛んでいる感じ。

でも朝の食事介助は正直眠くなりますね(笑)

私は車で30分かけて通勤していたので、帰りの運転は毎回ちょっとした戦いでした。眠気を覚ますために、運転中はずっと何かを食べている。本当にヤバい時は無理せず、道の駅みたいに安全に停められる場所で仮眠をとってから帰りました。眠い時に運転するのが一番危ないので、そこは安全第一です。

家に帰ってシャワーを浴びて、ご飯を食べて寝る。で、起きたらもう夜になっている。この感覚がなんとも変なんですよね。晩ご飯を食べてしばらく起きて、深夜1時か2時に寝る。翌日はかなりだるくて、曜日の感覚も時間の感覚も狂います。夜勤明けの翌日は休みのことが多いですが、そのまま日勤というパターンもあって、それはなかなかしんどい。

ただ——正直に言うと、あの夜勤明けの解放感、私は結構好きだったりします。一晩やり切った後のあのハイな気分と開放感は、ちょっとクセになるものがありました。

実は、夜勤「前」がきつかったりする

生活リズムの話でいうと、私にとってはむしろ夜勤に入る前がきつかったです。夕方から朝までの勤務に備えて、日中に寝ておかないといけない。でも、これがなかなか寝られないんですよ。

特に夏場。当時の私の部屋はエアコンがついていなくて、暑くて全然眠れませんでした。日中の暑い時間に寝ようとしても寝つけないまま、そのまま夜勤に突入する。あれは本当にきつかった。夜勤そのものより、夜勤に備える生活リズムの調整のほうが、体には効いていた気がします。

夜勤を乗り切るために、やっていたこと

意外に聞こえるかもしれませんが、乗り切るコツは「常に何かやっていること」でした。

というのも、何もない時間が一番きついんです(笑)。忙しいのも大変ですけど、本当に何もやることがないと、逆にガチで眠くなる。なので、委員会の仕事をしたり、担当する利用者さんのケース記録を整理したり、掃除をしたり、何かしら手を動かしていました。

あとは、夜勤の相方との世間話。これが地味に効きます。私の場合、相方の分までお菓子を買っていって、相方も何か買ってきて、夜中に差し入れを交換する——みたいな謎の文化がありました(笑)。ちなみに、そういうこともあって夜勤をやっていた時期はしっかり太りました。夜中にパンやお菓子を食べる生活なので、まあそうなりますよね。

夜勤がしんどい人への、選択肢の話

もし今、夜勤がしんどくて仕方ないなら。私からの提案はこうです。

まず、「何がきついのか」を自分で分析してみること。ここが出発点です。長時間労働そのものがきついのか、少人数で複数の利用者さんを見るのがきついのか、起きていること自体がきついのか。あるいは特定の相方との夜勤がきついのか。きつさの正体が見えると、打つ手が変わってきます。

正体がわかったら、上司に相談してみる。夜勤の回数を減らしてもらえないか、シフトを調整してもらえないか。ただ、シフトを組む人にも都合があるので、こちらの要望が全部通るとは限らないのが現実です。

それでもどうにもならないなら、転職も視野に入れる。夜勤のないデイサービスや、日勤帯中心の仕事に移るという選択肢です。正直に言っておくと、デイに移ると給料は下がることが多いです(夜勤手当がなくなるので)。ここはきれいごとを言っても仕方ない。でも、それでも検討する価値はあると思っています。

なぜかというと、無理して続けても、結局は続かなくなるからです。体に負荷をかけ続けると、いつかガタが来る。介護を続けたくても続けられない体になってしまったら、元も子もない。最悪、自分が介護される側になってしまうかもしれない。そうなる前に、手を打っておいたほうがいいと思うんです。

最後に・・・

もし「夜勤がきつい」と感じているなら、まずは何がきついのかをはっきりさせるところから始めてみてください。眠気なのか、体力なのか、生活リズムなのか、責任の重さなのか、人間関係なのか。原因によって、対処の仕方はまったく違います。

一般論を言えば、夜勤は人が本来活動する時間の外で働くことになるので、慣れないうちは体にこたえて当然です。年齢による部分もあるかもしれません。だからこそ、我慢比べをするんじゃなくて、原因を突き止めて、自分に合ったスタイルを探していくほうがいい。

上司に相談して、夜勤を減らしてもらう。それが難しければ、日勤中心の職場への転職も考えてみる。無理を続けて体を壊してしまう前に、そっと選択肢を広げておく。給料とのバランスもあるので、そこは自分の状況と相談しながら、で大丈夫です。

夜勤は、確かにきつい。でも、きつさの正体さえわかれば、必ず打てる手はあると思います。一人で抱え込まずに、まずは分析から始めてみてください。

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