介護の人間関係に疲れたあなたへ。3つの職場をまわった私の本音

人間関係のこと

介護の仕事、しんどいですよね。

体力的にもキツいけれど、それ以上に——人間関係で消耗している人が、多いんじゃないかと思います。利用者さん、職員、家族、看護師…関わる人が多いぶん、あちこちで気をつかって、すり減る。

もし今、あなたが人間関係に疲れてここに辿り着いたのなら。まず最初に言いたいのは、それは、あなたが弱いからじゃないということです。

私自身、特養・グループホーム・デイサービスと、3つの職場をまわってきました。人間関係でしんどかった経験は、嫌というほどあります。だから、説教するつもりはありません。同じようにしんどかった一人として、本音をお話しします。

介護で関わる人間関係は、ざっくり4方向あります。利用者さん、職員同士、利用者さんの家族、看護師などの他職種。ひとつずつ、お話ししていきますね。

利用者さんとの関係

これは正直、人によります。

私の場合は、利用者さんとの関係でそこまでこじれることは少なかったです。でもこれはあくまで「私が経験した範囲では」という話で、人によっては普通にこじれることもあると思います。しっかりした利用者さんは職員のことをよく見ていますし、合う合わないもはっきりしていますからね。

たまにあるのが、「あの職員はちょっと…」「他の人がいい」と言われることです。これは、こちらに分かりやすい落ち度があるっていうわけではない時があります。もちろん、当たりが強くて実際に問題のある職員もいたりしますが(笑)、「なんとなく合わない」という、本人にもどうしようもない理由だったりもします。

そういう時は、無理に関わろうとせず、周りと協力して、別の職員が入るように配慮して回します。「嫌われた」と落ち込む必要はないんです。相性、というだけの話なので。へこむ気持ちは分かりますが、これも仕事のうちと割り切って、さらっと流すのがいいと思います。

職員同士——これが、たぶん一番しんどい

ここが本題かもしれません。あなたが今しんどいのも、もしかしたらここかもしれませんね。

人間関係で悩むこと、一番多いのはたぶん職員同士です。まあ、これは介護に限った話じゃありません。どんな職場でも人間関係はありますし。ただ、介護はストレスが溜まりやすいので、少し陰湿な空気になりやすいところはあると思います。

「あの人は仕事が遅い」「ちゃんと見守りをしていない」みたいな、仕事ぶりへの不満が、本人のいないところで陰口になったりします。細かいことの積み重ねで、なんとなく職場の空気が悪くなっていく。これはどこの施設にも、多かれ少なかれあると思います。

ちなみに私も、思いっきりやらかしたことがありまして(苦笑)。おむつ交換で出た使用済みのパッド(新聞紙にくるんでビニール袋に入れたもの)を、いったん車いすの後ろにあるポケットに置いたまま、別の対応に追われて忘れてしまったんです。…はい、完全に私が悪いです(笑)。当然、あとで指摘されました。ミスは反省しています。でも——指摘の「言い方」って、人によってけっこうキツかったりするんですよね。責めるように言われると、こちらもへこむ。そして、こういう小さなやり取りが積み重なって、職場がギスギスしていくという感じです。指摘する側もストレスや疲れが溜まったりしているとどうしても強い言い方になるので、後から自分を責めて傷ついていたりする場合もあります。

今あなたが人間関係で参っているのなら、それはあなたが弱いからじゃありません。みんな忙しくて、余裕がない中でやっている。だからこそ、ちょっとした言い方ひとつで関係がこじれることがある。でもそれは、あなたのせいじゃないんです。そこだけは、勘違いしないでほしいと思います。

家族さんとのこと

家族さんとは特養などの長期で入られているところだと面会時にあいさつや一言二言交わす程度でそれほど関わることはありませんが、短期入所だと物の管理など、デイサービスだと入浴やリハビリの有無、送迎時の対応説明などでトラブルになることがあります。

短期で入所のとき、職員で荷物を確認するんです(私が働いてた施設では)。「肌着2枚、ズボン2枚」というふうに数えて。で、退所のときに数が合わないと、揉めることがある。ただでさえ忙しいのに、物探しが追加されるわけです。で、結局「本人が持っていました」「鞄のポケットに入っていました」というオチが、けっこう多いんですけどね(笑)。

デイサービスだと、リハビリや入浴などいつもしている方が今回はしなかった場合など、「家では出来ないのでちゃんとしてください」と注意を受ける場合があります。これは家族さんの主張としてはごもっともです。でも、本音を言えば、現場もできる限りのことはしてます。手を抜こうと思って入浴やリハビリをしなかったわけではありません。こちらに落ち度があれば別ですが、なかなか難しい利用者さんがいらっしゃるのもまた事実です。

ただ、勘違いしてほしくないのは、家族さんはよっぽどのことがない限り、職員に文句なんて言ってきません。むしろ「いつもお世話になっています」「ありがとうございます」と感謝されることのほうが、ずっと多いんです。

これ、私はすごく分かるんです。自分の祖母の介護が大変で施設を使っていた時、家の中が平和で、自分の時間が作れて、本当にありがたかったから。あの気持ちは、よく分かります。

もし今あなたが、たまにある家族さんとのトラブルで気が重くなっているなら——そのことよりも、感謝してくれている家族さんのほうが、ずっと多いということを思い出してほしいです。

もちろん、本当に大切にしているご家族を、泣く泣く預けている人もいます。そういう方が、自分の家族に丁寧であってほしいと願うのは、当たり前のこと。だからそういうご家族には特に気をつかいます。でもそれは「クレーム」ではなくて、「大事だからこその願い」なんだと思えると、受け止め方が少し変わるかもしれません。

看護師とは、対立ではなく「命がかかった緊張感」

最後に、看護師などの他職種との関係。

介護士は看護師と関わることがとても多いです。そして、ここは命に関わる場面が多いぶん、緊張感があります。

たとえば排便。施設では、排便が数日ないと下剤(緩下剤)を検討します。その判断材料になるのが排泄記録なので、記録を正確に付けることが、とても大事になります。投薬も神経をつかいます。薬の準備は看護師の仕事ですが、実際に飲ませるのは介護士であることが多いですからね。皮膚が弱い方だと、少し触れただけで皮膚が裂けて裂傷になることもあります。

ここで、看護師に厳しく言われると「怒られた…」と落ち込むこともあると思います。でも——見方を変えてみてほしいんです。看護師が厳しいのは、意地悪じゃありません。薬も皮膚の状態も、ひとつ間違えれば利用者さんの命や健康に直結するから、真剣なだけなんです。

だから、もし看護師との関係でピリついても、「敵」だと思わないほうがいい。同じ方向——利用者さんを守りたいという気持ち——を向いている仲間なんです。そう思えると、指摘も少し受け止めやすくなります。「攻撃された」ではなく、「一緒に守ろうとしてくれている」と。

しんどいあなたに、伝えたいこと

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に、今しんどいあなたに、私なりに伝えたいことがあります。

まず、職員は、悪い人ばかりじゃありません。協力的な人は「あ、これやっておいたよ」とさりげなく手伝ってくれたり、丁寧に教えてくれたりします。そういう人に救われることも、本当に多い。今しんどいと、嫌な人ばかり目につきますが、いい人もちゃんといます。それも忘れないでほしいです。

その上で、嫌なことがあった時、私がどうしていたか。…たいしたことじゃないんですけどね(笑)。嫌なことがあった日は、もう寝ます。これに尽きます。家に帰っても嫌なことが頭から離れなくて、30分以上ぐるぐる考えている時って、もう疲れている証拠なんです。考えすぎても解決しないし、むしろ逆効果。だから、ふて寝するに限ります。

で、翌日。頭がすっきりしていたら、その時に紙に書いて、何が嫌だったか、次にどうすればいいか、少し整理します。夜中に悩んでいる時より、寝て回復した翌日のほうが、ずっとマシな対策が出てくるんです。これ、けっこう効くので、よかったら試してみてください。

…とはいえ、私も偉そうなことは言えません。すぐ感情的になるタイプで、それで揉めたことも何度もあります(笑)。完璧に割り切れていたわけじゃないんです。

それでも、もしいろいろ試して、どうしても無理だという時は——職場を変えるという選択肢も、ちゃんとあります。我慢し続けるだけが正解じゃありません。それについては、また別の記事で詳しくお話しします。

でも、何より一番伝えたいのは、これです。しんどいのは、あなたが弱いからじゃない。みんな余裕のない中でやっているから、ギスギスするだけなんです。だから、自分を責めすぎないでください。あなたは、もう十分がんばっています。

次は、体力や腰の話、夜勤の話も書いていくつもりです。よかったら、また読みに来てください。それまで、無理しすぎないようにしてくださいね。

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